トランプ大統領とTPP

今朝のニュースでアメリカのトランプ大統領がTPPに復帰する意向を示したことが書かれていました。TPPは環太平洋パートナーシップ協定で太平洋周辺諸国がお互いに自由に貿易できるように関税に関する取り決めをしていこうというもののようです。自動車関係、医療関係、保険関係、農産物関係等、多方面に関しての取り決めで日本国内経済にも大きな影響が出るものと思われていました。私も農業関係の仕事に従事しているので特に牛肉や乳製品への影響がかなりあるのではないかと、ここ2,3年気にかかってはいました。何といってもアメリカが積極的で、大国の力で自国生産物の輸出のため周辺諸国に不利な条件を押しつけてきているように思われました。このままでは安い輸入品により日本のものが圧倒されるのではないかと心配でした。一般的に添加剤の有無等の安全性については随分気にされているようですが、それはある程度生活に余裕のある年代であって、子育て真っ最中の年代は店頭に並んだ品物をみるとどうしても安価な方を選ぶのが普通ではないでしょうか。そして日本の産業は衰退し安価な輸入品ばかり売れる傾向になっていってしまいそうです。食品に関しては現状でも日本の食料自給率は非常に低いと言われています。TPPが進められるとこの現状にさらに拍車がかかっていくでしょう。例えば、私たちシニア世代が小学校と中学校時代は給食はずっとパン食でした。これは今考えると、表面上はパン食は身体によく、子供の成長に良いということで食べさせられましたが、実はアメリカの小麦を大量に輸入させられ、その処理に食べさせられていたに違いないと思います。戦後70年たったとは言え、日本とアメリカの関係はあまり変わってないようなのでTPPの結果としてまた同じようなことが行われるのではないかと心配していました。

しかし、トランプ大統領になりもともと中心的だったアメリカがTPP不参加を明言しました。そのため各国はアメリカなしで交渉を進めてきました。私もアメリカが参加しないということで若干安心していました。それなのに今朝は突然トランプ大統領が参加する意向を示したということです。「行政の継続性」という言葉があるように政治はそんなに簡単にころころ変わってはいけないものです。大統領という立場ならば自分の言葉が自国あるいは周辺諸国にどれだけ影響を与えるかを熟考したうえで発するべきで、発言と決断力で成功してきた商業的実績と同じにいくずがないのに、簡単に発言したりツイートしているようでは大統領失格ですね。

皆さんの職場にも自分の考えがなく、聞くたびに違う意見を言う上司、いませんか。