会計監査と性善説

昨日、仕事の関係団体の会計監査委員になっているので年一回の関係監査を実施してきました。毎年今の時期に事務局までいって昨年度の決算書、貸借対照表を確認、次年度予算案との繰越金等の整合性が取れているかどうかを確認、さらに詳しい帳簿等の整理ができているかどうかをチェックしました。事務局員は一人なので思わぬ間違いがあってそのまま総会にかけてしまっては大変なことになるので特に気を使います。事務局員はほとんど関係者から出た人が選ばれているのと、扱う金額があまり大きなものではないので記述ミスはあっても不正はあり得ないという視点で行っています。所謂性善説に乗っ取っています。私はもう一つ小さな関係団体の会計監事をやっているのでそちらも同じような心構えで監査を行っています。二十年ほど前、住んでいる町の町職員として働いていた頃、北海道の会計監査を受けたことがありましたが、これはもう厳しいもので、目を皿のようにして監査されましたね。監事はこちらが用意した飲食物はお茶ひとつ手を出さず、黙々と監査が実施されました。引率してきた支庁職員だけが出された果物やお茶を食べていたのが印象に残っています。もっとも、国の補助金が目的以外に使用されていないかを監査するということは国民の税金を無駄使いしていないかどうかの判断なので厳しくて当たり前ですよね。

性善説というのは昔からよく言われていますが、我々のような小さな組織でしか働いていないものは基本的に性善説に乗っ取って人間関係を作っています。小さな組織では多少の行き違いがあったとしても悪意を持って裏切られるようなことはあり得ないという考えに沿って行動しています。日本人の隣近所を大切にする、遠くの親戚より近くの他人といった考えが脈々として続いてきているような気がします。でも、このような考え方も最近崩れてしまうようなことが起こっていることは確かです。私の身近な組織でも、信用されていた金融関係のベテラン職員が横領していたことが発覚しました。本人が悪いのは当然ですが同じ職員一人に何十年も金融関係を任せていた組織にも問題があるのではないかと思います。これからの時代は今までの性善説とは違って個人ではなく組織としてこのような事件の発生防止に努めていかなければなりませんね。

性善説と言えば性善説があまり通用しないようなことが国会で盛んに議論されています。加計学園、森友学園問題は野党が指摘していることが本当らしいという方向になっています。やはり安倍首相夫妻が関与したことは誰が見ても間違いないようで、自民党内部からも安倍首相に対する批判が出てしまっています。このような問題で政府の最高機関である国会を一年間も無駄に運営させた安倍内閣の責任は重すぎます。即刻退陣すべきではないでしょうか。一時的にも支持していた国民にも少しは責任はあるかもしれませんが、文科省や財務省等の国家公務員にまで不正を働かせる内閣は存在すべきではないでしょう。

性善説で生活できるような社会に生きたいものですね。でも、変な新興宗教には気をつけてくださいよ。