人間ドック

今日は年一度の人間ドックに行ってきました。結果として再検査必要とでたものは悪玉コレステロール値しかありませんでした。今回も体重が600g、お腹周りが2cm増えただけで、去年とほとんど変化なく異常は認められませんでした。

職場の福利厚生で年一度受診が義務付けられているので、30歳になった年から欠かさず受けています。今年で64歳になるので34回目になります。この期間に再検査必要になったのは胃のバリウム検査で2回だけで、後日の胃カメラ検査では、「暴飲暴食の結果、胃が荒れている」と診断されただけでしたが、実はこれはピロリ菌がいたためだということが最近判明しました。

近年の人間ドックのオプション検査に、血液によるピロリ菌の有無の検査が導入されたので、受診したら陽性と出ました。つまり、自分の胃の中にピロリ菌が寄生しているということでした。胃癌予防のため除菌が必要というアドバイスにより、胃腸科内科を受診し、胃カメラをしたところ、先生曰く、「これは間違いなくピロリ菌による胃炎だ」と診断され、再検査せずに除菌のための抗生剤が処方されました。一度陰性になってもまた出てきたりして、結果的には完全に除菌されるまでに二年間を要しました。

この時に思ったのは、胃カメラで「ピロリ菌の胃炎」と診断された胃粘膜の荒れた様子は、昔に胃カメラをした時に「暴飲暴食の胃」だと言われた胃粘膜と同じものでした。その当時はピロリ菌がまだ知られておらず、ただ「暴飲防食の胃」と決めつけられ、私が悪者になってしまいましたが、実はピロリ菌が犯人だったのですね。やはり、医学の進歩は素晴らしい。

この時、「最終的に除菌がうまくいかないときはどうするのか」と胃腸科の先生に尋ねたら、そのままにしておくとのことでした。その理由はというと、「胃癌になった人は100%ピロリ菌に感染しているが、ピロリ菌に感染している人が胃癌になる確率は数%しかないため」だそうです。納得できるようなできないような説明でした。

私の父は、61歳で亡くなりましたが、突然の手遅れ胃癌でした。父も職場の健康診断で毎年バリウム検査も受診していました。胃癌は3月に発覚しましたが、前年の10月にバリウム検査で異常はありませんでした。でも3月にはもう手遅れで、手の施しようがないという状態でした。結果的にはスキルス性胃癌だったので、早期に知ることはできなかった病気で、バリウム検査で発見できなかったのだと思います。

自分の事と父の事などを考え合わせると、毎年人間ドックを受診してもあまり意味がないような気もします。

それと、人間ドックの診断の基準値が時々変わっているのが気になります。血圧等その業界(製薬会社や医療機器会社)の都合で基準値が変えられることがあるらしいという話を聞いたことがあります。そんな基準値を少し超えているだけで、再検査を進められるのはいかがなものかと思います。もう少し総合的に判断して指示を出して欲しいものですね。