コロナワクチン争奪戦

新型コロナウイルスの感染の再拡大に対応し、先進国の間で開発途中のワクチンを巡る争奪戦が過熱しています。各国が巨額を投じ、自国優先の方法で確保しようとしているようです。例えば、イギリスのシャーマン民間企業エネルギー産業戦略相は5月の会見でワクチン開発が成功すればイギリスが最初に手に入れると述べているそうです。世界では今163種のワクチンが開発中で、そのうち23種類がヒトに投与する臨床試験に進んでいるようです。この開発のスピードと規模で先行しているのはイギリスで、2番手はアメリカや中国のようです。

世界中で開発が行われているワクチンが完成するかどうかはまだまだ未知数で、最有力候補のイギリスでさえ、9月までの成功率は50%程度といわれます。ワクチンは効き目はあるけれども副作用があるという状態では実用されることはなく、ワクチンの開発は非常に難しいようです。

それでもアメリカやイギリス、その他大国はワクチン確保のために何億ドルもの投資を行い自国の使用予定数の確保を目指して争奪戦を行っています。

我が国日本はどうかと言うと、今日やっとその交渉を行う政府のチームを結成したという記事が出ていました。日本政府の動きは本当に遅い行動で、世界からかなりの遅れをとったような気がします。しかし、世界に頼るのではなくワクチンの開発にもっと予算を当て、日本製のワクチンの開発を急いで進めていったほうが良いのではないでしょうか。農産物その他で自給率が低下し、輸入に頼っている日本では、いつも外国から必要なものを手に入れようとしますが、コロナのワクチンは是非とも日本産のものを開発し、予算を十分割り当てて早急に研究を進めるように対策を立てていくべきだと思います。各国が自国のワクチン確保に、既に大きな予算を注ぎ込んでいる段階に入っているので、今から日本がそこに割り込むのはなかなかうまくはいきません。自国国民の使用する数は何とかして自国で生産する方向に行った方が良いでしょう。何ヶ月か前に日本が経験したマスク不足は明らかに輸入に頼っていた結果ではないでしょうか。日本国内でマスクを生産する企業が次々と現れ、値段的には輸入していたものよりも少し高めではありますが、やっと充分な数が店頭に並ぶようになってきたではありませんか。あの時の経験を政府は感じていないのでしょうか。

現在、日本国内でも大阪のワクチンや九州大学で研究されている蚕を使ったワクチンなどありますが、もっともっとこういうところに国の予算を充てるべきではないでしょうか。