復興事業で裏金づくり

東日本大震災の復興を請け負った大手ゼネコンの支店幹部らに利益供与をする目的で、複数の下請け企業が不正経理による裏金を作っていたという記事が出ていた。

どんな公共事業でもある程度の接待費等は使われているのではないかと想像はできますが、今回発覚した裏金は1億6千万円にものぼる裏金で、その原資は税金です。つまり復興増税などによる税金によって得た収入を使っている訳です。

確認できたゼネコンは、清水建設、安藤ハザマ、鹿島、大成建設で、何度も幹部等への供与を目的として、下請け企業による裏金作りが行われました。津波災害による瓦礫処理あるいは原発事故後の復興再生事業など巨額の国費が使われた事業です。裏金はいつものやり方で行われ、つまり工事費を水増ししてこの大手ゼネコンから下請けが収入を得、それをゼネコン幹部らに供与したり、あるいはキャバクラなどの過剰な接待を行っていたというものでした。

こういう事件の記事が出る度に、どうして国はこの委託先を厳選しあるいはこのような水増し請求を指摘できるような方法を考え、税金の無駄遣いを無くそうとしないのかと思います。いつも国はいつも受注できる大手ゼネコンに丸投げしてしまい、その後の指導は全くしていないようです。今回発覚したこの裏金作りについては国の会計検査院が指摘し発覚したということですが、後処理ではなく最初からこういうことが行えないようなシステムというものを、もう少し真剣に考えて行くことはできないものなのでしょうか。

日本人の悪い所あるいは日本に限ったことではないのかもしれませんが、この事業を下請けさせる国の担当者が、このお金は全部自分のお金であるという認識があれば、こんなばら撒き的な、預けてしまえばそれで終わりというようなことは行わないはずです。

公務員に限らず、人間誰しも人のお金を使う時はあまり難しく考えないで消費してしまうことが多いような気がします。

我々の現場にあるような小さな飲み会も、会費制で行われるとなればその金額により出席か欠席かを熟考した上で判断するのが普通だと思います。しかし、税金の行き先を決める公務員などは他人のお金を使う時は、どんなに真面目な人でもあまり慎重に進めていないように感じます。

少し前に公務員が公文書の改ざんに関与したことを悩み、自ら命を絶った方がいましたが、このような人は本当に滅多にお目にかかることはありません。

自分で率先してそのような利益供与受けようとは思ってない人でも、周りからそのように進められてしまうといつのまにかその中に身を投じています。このような利益供与が提供されなければ、下請けと親会社の関係がスムーズに進まないというのはそもそも間違いです。

公共事業の委託は大手ゼネコンに一括して終了ではなく、下請けや孫請けまで国が管理しその上で事業費を支払いするというようなシステムが必要だと思います。

そんなこと絶対に無理という意見が多いとは思いますが、今は無理でも社会として、全員が努力すれば可能になることも多いのではないかと思います。