牛乳の搾り方

搾乳体験として手搾りを観光牧場で体験されたことがある人もおられるでしょう。

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搾乳の始まりは手搾りでした。

酪農の最初の頃は、一軒の農家に1頭か2頭の乳牛を飼育し、手搾りで搾乳し、その糞便は堆肥として発酵させ、畑の栄養として利用するところから始まりました。

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北海道を例にとれば、明治の開拓時代にエドウィン・ダンなどの指導により酪農が取り入れられ、開拓農家に1、2頭の乳牛が導入されるようになっていきました。

昔の乳牛は、現在と違って品種改良されていないので乳量少なく、世間も冷蔵保存機能などの低さにより牛乳の需要も低い状況でもあったので、手搾りでも十分に間に合ったのです。1960年頃まで手搾りが主流であり、ミルカーが本格的に利用され様になったのは1970年以降です。

 

ミルカーの種類は2つに分けられ、「バケツ(バケット)型」と「パイプライン型」があり、機械搾乳の始まりは、バケット型だけで搾乳が行われていました。

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バケットミルカーで搾乳していた時代は、搾乳した牛乳(約20kgから30kg)を人力でバルククーラー(搾乳した牛乳を冷却して貯蔵しておくもの)の中へ入れなければならなく、酪農家の重労働の一つでした。

 

f:id:sinmaisinia:20210103160525j:plainバルククーラー 

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クーラーの中は自動的に撹拌されています。

 乳牛から搾り出したお乳を直接牛乳処理室までパイプで送乳する方式のパイプラインミルカーが開発され、運ぶ手間がはぶけるため、中・大規 模の経営で使用されています。

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                カウシェイド用パイプラ インミルカー

現在、バケツ型は仔牛用の給与牛乳、乳房炎および治療中の出荷不可能牛乳の搾乳に利用し、パイプライン型は、牛舎内にミルク通路パイプ・ミルカー真空パイプが設置されており、その2つのパイプラインを利用して、出荷用牛乳の搾乳を行います。

パイプラインミルカーには、牛舎内で使用するカウシェイド用パイプラ インミルカーと専用搾乳室で使用するミルキングパーラー用パイプライン ミルカーの 2 種類があります。

f:id:sinmaisinia:20210103161826j:plainミルキングパーラー用パイプライン ミルカー

 

カウシェイド用パイプラインミルカーは小規模、中規模酪農家で、ミルキングパーラー用ミルカーは大規模酪農家で採用されています。

ミルカーの装着の時にカウシェイド用は中腰にならなければならず腰に負担がかかりますが、ミルキングパーラー用は起立したまま装着できるので腰に負担がかかりません。そのため、多少費用がかかっても、腰に自信がなく、経済的に余裕のある酪農家は100頭以下でもミルキングパーラーを利用している酪農家もいます。

現在に至っては「搾乳ロボット」も登場し、米国等の海外や北海道の酪農家さんの間で普及しつつあります。搾乳ロボットとは、各々の乳牛のデータを読み取り、乳量・乳房の形を読み取り、全自動で搾乳を行ってくれるという、農家にとっては夢のような機械で、値段もそれだけ高値でした。しかし、最近では国のクラスター事業(かなり高い補助率)で多くの農家が取り入れ始めています。