足の水虫は、特に男性が多いような気もしますが、一旦この病気に罹ってしまうと日常生活の中で、自分で薬を塗りながら治していかなければならず、なかなか完全に治った状態には至らないことが多いと思います。
水虫は、真菌(カビ)の一種である白癬菌に感染することで感染します。治りにくいのも特徴のひとつ。水虫は足白癬の俗称で、主に次の3つのタイプに分けられます。
○趾間型
足の指の間に発症するタイプで、水虫のなかで最も多く見られます。とくに、薬指と小指の間にできることが多く、白くふやけて皮がめくれ赤くただれます。かゆみを強く感じるのがこのタイプです。
○小水疱型
足底から足のフチ、指の付け根にかけて小さな水ぶくれが発生し、破れた後に乾燥してポロポロ皮がむけます。梅雨の時期に発症しやすく、秋によくなるケースが多く見られます。かゆみを伴うこともあります。
○角質増殖型
かかとを中心に、足底の皮膚が分厚くなってかたくなり、ひび割れると痛みが生じます。かゆみはほとんどありませんが、冬でも症状が続きます。
牛にも白癬菌(Trichophyton verrucosum)に感染することにより発症する皮膚病として 皮膚真菌症というものがあります。
菌が皮膚に付着して起こる感染症で、灰褐色の円形の痒感を伴う痂皮(かさぶた)を形成し脱毛します。よく見かける病気です。
この菌は乳牛や肉牛から日常的に分離される糸状菌で、胞子と菌糸から構成されています。
若齢牛ほど感受性が高く、集団哺乳や離乳後の集団育成あるいは育成牧場での放牧ストレス等の負荷がかかった時に発症しやすいと言われてます。
病変部位に痒みを生じて、牛が病変部を壁などにこすり付けると、そこから胞子が他の個体に感染したり、牛同士の接触でも感染します。
実は牛の皮膚真菌症の原因菌の、このトリコフィトン・ベルコーサムは人間の水虫菌の親戚のカビの一種で、人間にすぐうつります。また、もともと牛の病気のためか人間の皮膚科ではしばしば誤診されるようです。
人間用の水虫の薬で結構治るのですが、もし湿疹などと誤診されたり、細菌感染症と間違えられると、抗生物質や副腎皮質ホルモンの入った薬を使うのでかえってカビを元気にして悪化させてしまう場合もあります。もし、うつった場合は皮膚科の先生に「牛からうつされたかも?」と伝えた方がいいと思います。
牛から人間へは主に接触感染でうつるので、皮膚の露出している部分(腕や首筋)や頭にうつることもあるようですが、酪農家の人や獣医仲間でも腕や首に感染したのをみたことがあります。
人間も牛に慣れた人は免疫を持っているので感染しませんが、あまり牛と接触する機会のない人、たとえば研修に来た大学生や田舎に遊びに来た親戚が、皮膚病に感染している子牛と接触するとすぐうつります。
観光牧場での、子牛とのふれあい、搾乳体験の後なども手洗い、消毒を十分行いましょう。