ピロリ菌と胃カメラ

3年前,人間ドックのオプションで血液によるピロリ菌の検査を受け陽性だったため胃カメラによる検査が必要になりました。人間ドックでも胃の検査にバリウム検査のほかに胃カメラ検査がありましたが、多数の健康な人が受ける人間ドックでの検査は技術者の練習台になっているような気がして気がすすみません。地元の消化器内科に行って鼻から入れる経鼻胃カメラ検査を受けました。最初に胃カメラ検査を受けた時は細菌検査の結果を待たなくても一目瞭然でピロリ菌性胃炎と診断され、その場で除菌薬を出され一週間服用後の便検査でピロリ菌陰性となりました。胃カメラ検査は十年ほど前まだ口から胃カメラを入れる時代に2回受けたことがありましたが、その時はまだピロリ菌のことは周知されておらず暴飲暴食による疲れ切った胃と診断され、早食い、大食いのためなのかと思いましたが、今思うとピロリ菌による胃炎だったのかもしれません。

その1年後に再検査に行くと再びピロリ菌性の胃炎になっていたため、再度除菌、その後1年たったので今回胃カメラ検査に行ってきた次第です。今回の検査結果はまだでませんが、もしもう一度陽性だったらどうするのかと先生に尋ねるとそのままおいておくとのことでした。除菌が必要だと思って3年間も通院しているのに無駄だったのでしょうか。医者がいうには、胃癌の患者は100%がピロリ菌をもっているが、ピロリ菌をもっている人で胃癌になる人は数%に過ぎないのが理由のようです。そんなふうに言われると人間ドックを受けていること事態が無意味な気がしてきますね、もう30年ちかく受診してきたのにがっかりします。

人間ドックと言えば昨年亡くなった聖路加病院の日野原重明先生が提言して始まった事業であるというニュースを聞いたことがあります。あの地下鉄サリン事件の時に多数の被害者の緊急治療の最先端に立って現場を指導した偉大な先生が提言した予防医学の試みが、今ではごく一般的に実施され職員に対する年1回の実施が義務づけられている職場が多いと思います。出張扱いで受診でき一日中リラックスしながら健康チェックができるので積極的に参加していますが、正常値の設定が少し厳しすぎるような気がします。本人の自覚症状が全くなくてもその検査の数値が正常値を超えていると必ず精密検査を受診するように指導されてしまいます。毎年同じ項目で正常値を逸脱した場合や画像検査で小さい腫瘤が認めらる場合でも精密検査受診の指導をされます。予防医学なので早めの検査が必要なのは理解できますが、もう少し正常範囲の設定を広めにとっても健康維持には問題ないような気がします。人間ドックに関わっている先生方でもう少し検討して頂きたいと思います。

さて、私のピロリ菌の結果はどうなるのでしょうか。ついでに胃カメラで組織切片を2か所も取られたのでその結果も気になります。