耳は外耳、中耳、内耳からできていて、中耳は耳管と言う細い管で鼻の中と繋がってるよ。
鼓膜の奥にある中耳で炎症(化膿)を起こしたのが「中耳炎」。
中耳炎には色々あるけど、一般的に中耳炎と言われているのが急性中耳炎です。鼻の細菌やウィルスが、鼻の奥から中耳につながる耳管(じかん)を通って中耳に入り、炎症を起こすんだよ。
耳は激しく痛み、聞こえも悪くなり耳がつまる感じ、水中で音を聞くように感じるのは、中耳に膿が溜まり、症状が進むと鼓膜が破れて耳から膿が出てくることもある。赤ちゃんはどこが痛いと伝えられないので、機嫌が悪くぐずったりして伝えようとしているよ。
鼓膜は赤く腫れ上がり、抗菌薬を飲んだり、必要に応じて鼓膜を切って中の膿を出すんだけれど、これが凄く痛いんだよね。
痛みのない中耳炎として、急性中耳炎の後などに鼓膜の内側に貯留液が残り、その結果鼓膜が動きにくくなり聞こえが悪くなる滲出性中耳炎がある。特に子供は順応性が高いので聞こえづらくても気づかないこともあるので注意が必要。
治療は鼻から耳に空気を送る耳管通気(じかんつうき)という処置や、鼓膜を切って中の滲出液を出したりするんだよ。信じられないけど鼓膜を切るんだよね。症状を繰り返すときには鼓膜にチューブを入れることもあるよ。
急性中耳炎や滲出性中耳炎は治らないと慢性中耳炎などになってしまい、手術が必要になることもあるので、中耳炎は耳鼻咽喉科医師のもとでしっかり治すことが大事だよ。。
牛にもマイコプラズマ(Mycoplasma bovis)が耳管を通して中耳に感染するマイコプラズマ中耳炎があるよ。
子牛のマイコ中耳炎は3から6週令で多発し、肺炎や関節炎を併発している場合が多いんだよ。
人の場合は細菌による中耳炎で、抗生物質の効果があるけど、子牛の感染するマイコプラズマは細菌より小さい微生物で、細胞壁がないため抗生物質による治療効果が低く、一旦発症してしまうとなかなか治らないのよね。
治りにくい病気なので、予防策としてワクチン接種と抗生物質の投与が推奨されている。
臨床現場では、耳道(中耳、耳管)洗浄が行われており一定の効果はみられるけど、見えない耳の中での治療は、鼓膜を破る際の子牛への疼痛ストレス、外耳内の汚染物が中耳や耳管に入る危険性、炎症を波及させ中耳炎を悪化させる危険性がある。
そのため、内視鏡で見ながら治療する方法がストレスもなく家畜福祉の面からも望まれるよね。
私も小学校5年生の頃、中耳炎を発症し耳鼻科で鼓膜を切開され、あまりの疼痛のため大泣きした思い出が今も鮮明に残ってるよ。そのためか子牛にまだ耳道洗浄は一度も行っていません。