東京医科大学 受験生を欺く

東京医科大学でとんでもないことが発覚しています。そのきっかけとなったのは文部科学省前局長との贈収賄事件です。国の私学助成金を受け取るために前局長の息子の裏口入学を実施しその見返りに国の補助事業に参入させてもらい補助金約4100万円を受け取ったということらしい。贈収賄では現金を受け取っているのが一般的ですが今回はなんと自分の息子の合格を条件にしたとんでもない内容です。親自身も高級官僚になるために受験には苦労し頑張ってきただろうに、自分の息子には安易な方法を用意してしまうとはどうゆうことだろうか。国の補助金の対象大学を決定できる自分の職権をいつの間にか自分の意志により自由にできるものと勘違いしてしまったのか。さらにそれを自分の息子のために安易に使ってしまうことに罪悪感はなかったのか。息子本人も裏口入学を認識していたのかいなかったのかはよくわかりませんが、いずれそのことが発覚するでしょうからその時は本人の人生が大きく狂ってしまうことくらい冷静に考えればすぐ気づくことと思います。親としてどうしてこんなことをしてしまったのか理解できません。私も一浪して大学に合格しましたが受験生は必死に受験勉強に取り組んでますから多分親が勝手に便宜を図ったのではないかと思います。もし、本人が親に頼んでやったことならばそういう人間が医者になったら大変でしたね。

このことだけなら息子を巻き込んだ公務員の贈収賄事件のみでしたが、このことの調査に臨んだ調査委員会の調査過程でなんと入学試験の合否判定に慣例的に手を加えていたことが発覚しました。しかも理事長と学長と一部の学生課の職員で実施し他の理事たちには知らせていないということです。少なくとも女子受験生の合格比率が40%近くなった2006年以降行われてきたらしく、女子受験生の点数に一定の比率をかけて女子学生が多くなり過ぎないように男女の合格比率を調整してきたということです。さらに、浪人年数の長い受験生についても不利になるような点数調整が行われていたようです。受験生の気持ちがよく分かる自分としては全くやりきれない思いです。入学試験は公正に行われているものと信じ、不正があるとは夢にも思わず、すべてを受験勉強のために犠牲にしてきた学生にとっては現代社会に裏切られた思いではないでしょうか。大学と言う教育機関で一部の理事たちにより受験生を欺くような入学試験が長年行われてきたことは大きな社会問題ではないだろうか。女子学生を差別するような入学試験が長い間慣例的に実施されてきたということは許しがたいことです。弁護士によると、男女平等を無視しているばかりではなく、公平な入学試験を実施しているように見せかけて受験料をだまし取る詐欺罪にも匹敵するそうです。

法律を無視し、まだ未成年の受験生を欺くようなことが一部の大人によって当たり前のように何年も続けられてしまう日本の社会は情けないですね。日本の社会は旧態依然として事なかれ主義が未だに改善されず、自浄作用が働かない集団のままなのでしょうか。