胃が四つある動物

人間のや馬、犬、猫等の身近な動物は、普通に胃は一つですが、牛、緬羊、やぎ等は胃が四つあります。

胃が四つある動物たちは、一般的には反芻動物といわれます。お聞きになったことはありますか?

反芻とは何か? これは一度飲み込んだ牧草等を、もう一度胃から口の中に戻してからよく噛んでまた飲み込むという行為です。

一般的には食べたものを吐き戻すことはありません。胃が一つしか無い動物にとっては、吐き戻すこと大変な事で、滅多に吐き戻すことはあり得ません。吐き戻すときは「嘔吐」といわれ、食中毒の時や腐廃物等を間違って食べてしまった時に、身体が拒否反応として起こる現象です。人間の場合は飲み過ぎで嘔吐という事もありますね。

反芻動物の最大の特徹は、四つの胃(第一胃、第二胃、第三胃、第四胃)を持つことです。

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反芻動物は、通常立った状態で牧草等の餌を食べ、横臥(座った状態)で反芻(噛み返し)を繰り返します。食べた牧草は、最初に第一胃に入り、次に第二胃にいってから口の中へ戻ります。ここで良く咀嚼されてから流動物となって再び飲み込まれます。

再度飲み込まれた流動物は、食道口反射という反射が起こって、第一胃ではなく、第三胃へと流れ込みます。第三胃で水分が減ってから第四胃へ送られてから腸管へ流れていきます。

反芻動物の第四胃が人間等の単位動物の胃と同じものです。沢山の牛の開腹手術をしていると、時々、第四胃に胃潰瘍があるの見ることがありました。のんびりそうに見える牛も人間同様にストレスを抱えながら生きているのでしょうね。

四つの胃の中でも第一胃はルーメンと呼ばれ、成牛で150~250リットルの膨大な容積をもち、そこには、細菌をはじめとする様々な微生物が多く生息しています。ルーメン内ではこれらの微生物が主役となります。微生物は高等動物にはない繊維質を分解する酵素を持っているのです。

ルーメン内では、牛自身が消化できない繊維質が、彼らの働きによって分解されます。人間や犬の大腸にも細菌などの微生物が存在していますから、食物中の繊維質の5%程度は分解されます。これに対し、ルーメンをもつ牛に至っては、50~80%も分解されると言われています。

ルーメンという大きな発酵タンクを持つことによって、人間がうまく利用できない繊維質や質の低いタンパク質を含む草を食べて、肉や乳に変換する反芻動物は人間にとってかなり有益な動物である と言えます。ルーメン内で牧草の繊維質は揮発性脂肪酸(VFA)とメタンガスに分解されます。この揮発性脂肪酸が牛の栄養源となるのですが、同時に発生するメタンガスはゲップや糞便と共に外気へ放出されるので、地球温暖化の原因のひとつにされてしまっているようですね。

残念ですね。

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