牛乳は出産しなければ出るようにならないんだけど、その乳房はどの様に発達してくるのか知ってる?
人間の場合は、お産しなくても乳房が大きい人や小さい人 色々な人がいるよね。でも、動物の場合は違うんだよ。
牛は、初めてお産をするまでは乳房の膨らみは全くないよ。小さい乳頭のみがついているのが分かる程度。
左の写真は真後ろから見た股間。この左の写真にある乳頭だけの乳房が、妊娠し、お産が近づいてくるに従って右の写真の様に膨らんで本物の乳房になっていくんだよ。この時は乳房の中で、牛乳を作り出すための組織である乳腺がどんどん発達しているよ。
それでは乳腺組織ってどんな物なのか。模式図で見てみよう。
乳房の中に筋上皮細胞に覆われた乳腺組織が沢山発達し、乳房が膨らんでいくよ。
この乳腺細胞に血液が流れると、沢山あるそれぞれの乳腺胞腔にホルモンの働きにより牛乳が作られ、溜まった牛乳がオキシトシンというホルモンの働きにより乳腺槽へ送られ、乳頭槽を通って出ていくことになるんだよ。
人体でも同様なことが起こりますが、人ではオキシトシンは幸せホルモンと言われますね。
子牛を育てる牛乳を出すために、母牛は幸せな気分になるということですね。
牛乳を乳腺細胞で作り出すのに血液が必要ですが、では、どれくらいの血液量が必要なのだろうか。
牛乳1リットルを作りだすのに約500リットルの血液が乳腺細胞に流れ込むんだよ。ホルスタイン種は1日20リットルから30リットルの牛乳が出るけど、血液量としては10000リットルから15000リットルもの血液が乳腺細胞に流れることが必要なんだよ。
通常、体重の13分の1がその動物の血液量と言われているけど、現在飼われているホルスタイン種の場合、大人になって大体600kgから800kgの体重があるので、46リットルから61リットルの血液が体内を循環していることになるよ。
これを平均50リットルが体内循環していると考えると、200回から300回血液が体内を循環していることになり、その他にも、血液は全身の筋肉その他に沢山の酸素を供給するために体内を循環しているので、肺で酸素交換した血液を全身に送り出している心臓は本当に大事な臓器だよね。
牛は全身を使って牛乳を出していることが分かったよね。 本当に大変だね。牛さんは。